イーシーセンター様はどのような企業かご紹介ください。
イーシーセンターは、地域に愛される企業を目指し「私たちの子どもたちに残したい未来がある」という経営理念の下、地域愛やMOTTAINAIの心をもち、資源循環型社会の形成に向けて貢献しています。昭和55年に創業し、建物解体工事、カッター工事、産業廃棄物・建設廃材の収集・運搬、産業廃棄物中間処理及びリサイクル、RC砕石製造販売、瓦チップ製造販売等の事業に携わって参りました。木造一般住宅や鉄骨鉄筋コンクリートのビル、学校、工場など建築物の構造を問わず解体が可能であり、焼却炉や橋、煙突といった特殊な構築物も手掛けます。また、解体に伴い排出された建設廃棄物は、静岡県東部を拠点に構えた5つのステーションに品目ごとに持ち込まれ、砕石やプラスチック原料、製鋼原料などにリサイクルしています。これらの事業を通し、自然環境との調和並びに地域との共生のために環境保護・環境負荷の低減を推進し、循環調和型社会の実現を目指しています。
イーシーセンターのサービスについて教えてください。
イーシーセンターでは、建物の解体から産業廃棄物のリサイクルまでを一貫して行っており、解体を通した都市の新陳代謝や再開発に資する活動によるインフラ構築への貢献と、廃材の再資源化を強みとしています。
コンクリートガラは沼津ステーションにて、廃石膏ボードは富士第3ステーションにて、それぞれ再生砕石や石膏ボードの原料などにリサイクルされます。マテリアルリサイクル(※1)に適合しない廃プラスチック類、木くずなどに関しては、富士第2ステーションにてRPF(固形燃料)などにリサイクルされます。これらのリサイクル製品は路盤材として建設業者に販売されたり、石炭やコークスの代替燃料として地元製紙会社へ販売されることで域内資源循環に寄与しています。
※1 マテリアルリサイクル…廃棄物を新たな製品の原料として再利用するリサイクル法。リサイクルの種類には3つあり、このほかにサーマルリサイクル(廃棄物を焼却する際に発生する熱エネルギーを回収して利用するリサイクル方法)、ケミカルリサイクル(廃棄物を化学合成により他の物質に変え、その物質を原料にして新たな製品を作るリサイクル方法)があります。
イーシーセンター様は事業のそのものがSDGsに深く関わりのある内容ですが、
様々な取り組みについて詳しく教えて下さい。
①【乾留ガス化炉発電施設】
2021年8月に完成した、廃棄物を乾留(空気を断った炉での蒸し焼き)し、発生した可燃性ガスを利用する発電施設です。単純な焼却処理よりも縮減率が高く、サーマルリサイクルによる廃棄物の有効活用が可能なため、廃棄物削減およびCO2排出量削減に大きく貢献しています。
②【RPF】
産業廃棄物のうち、マテリアルリサイクルが困難なプラスチックや古紙、廃木材などを原材料とする固形燃料です。石炭やコークスの代替燃料として製紙・鉄鋼業界などで利用されます。化石燃料と比較してCO2削減効果があることをはじめ多くのメリットがあります。
③【K-グランド】
廃瓦を利用したリサイクル舗装材です。リサイクル材を用いずに製造された舗装材と比較したとき、CO2削減効果が高いことが認められています。また、保水性の高い構造であることから、都市部におけるヒートアイランド現象を抑制する効果もあります。環境にいいだけでなく、透水性や防滑性も高いため、足への負担も軽減できる付加価値の高い製品です。
④【ECチップ・ECサンド・かわらかべ】
これらも廃瓦から製造されるリサイクル製品です。ECチップ・ECサンドは廃瓦を細かく砕いたチップ・砂で、庭などに敷き詰めた際の除草効果が期待されます。かわらかべは廃瓦を壁材にしたもので、湿度の調整や高い断熱性、CO2削減といったメリットが享受できます。
K-グランドやECチップ・ECサンドは静岡県のリサイクル認定商品にも認定されています。近隣の公園や三島スカイウォークでの採用実績もあります。
社訓「できないと言わずにやってみよう!」から、未来へ発展していくための
チャレンジスピリッツを大切にしていると拝見しました。
チャレンジスピリッツから本業にとらわれない新事業も生み出している
とのことですが、詳しく教えてください。
地元から、後継者不足で休耕田になりかけた地域の田畑の有効活用の要請があったことを契機に、米の生産や木耳の生産を行っています。特に「食べられる漢方食材」と言われるほど栄養価が高く、また、無農薬栽培のため安全性も高い木耳はブランド化し「富士山木耳」として栽培並びに地元駅や道に駅などで販売しています。
本業、本業外、それぞれで様々な取り組みをされていることが大変よくわかりました。
ほかにSDGsの取り組みなどがあれば教えてください。
まず1つ目は「エコキャップ運動」です。地域・社会貢献の一環として社内や取引先も含めて活動を展開しています。
ペットボトルのキャップは約400個ごとに1人分のポリオワクチンに変わります。
この活動はペットボトルのキャップを集めて世界中の子供たちにワクチンを届けるNPO法人Reライフスタイルの取り組みがイーシーセンターの理念と共通していることから、2008年より始まった取り組みです。
この活動はボランティアではありますが、取引先の廃棄物分別意識を高めることにも寄与し、本業である廃棄物処理業の効率化にも貢献しています。
2つ目はドローン事業の開始です。
始まりは自社紹介動画の撮影のために使用していましたが、従業員による提案により、解体工事現場の事前調査への応用の他、富士市・沼津市との災害時における無人航空機の活用に関する協定を結び、2021年にはロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクトに参画する10社に採択もされました。
現在では子供たちへのドローン操縦の職業体験も行っており、将来的に必要となるであろうドローンの知識・経験を子供たちに提供しています。
その他、地元自治体への防災用品の寄贈、ゴミゼロ清掃活動、スポーツクラブへの協賛など、地域・社会貢献活動を積極的に行っています。
今後、2030年に向けてSDGsはさらに多くの企業が取組み、
一丸となって推進していくことになりますが、
イーシーセンター様が目指す未来像を教えてください。
イーシーセンターでは、本業・本業外・地域貢献活動でのSDGsの取り組みはもちろんのこと、社内体制面でも取り組みを充実させています。主なものとしては、多様な人材の活躍推進を一環としたFUJIオフィシャルサポーター認定制度の認定による女性社員の継続的就業環境の整備、当社がスポンサーを務めるスポーツチームの選手の採用、NPO法人チェンジ(就労継続支援A型事業所)を構えた障がい者雇用の促進、小中学生の社会科見学受け入れ、高校生のインターンシップ受け入れ、職業講話、チームワークを高めるための社内行事の開催や、従業員資格取得支援、福利厚生の充実などです。
従業員満足度の向上に努め、地域に根差し、事業の持続可能性向上に努めています。
当社が所在する富士市は、内閣府のSDGs未来都市に選定され、2020年にSDGs未来都市計画を策定し、富士山をSDGsのシンボルとして、経済、社会、環境の3面が調和した持続可能な発展を実現させていくと標榜しています。マテリアルリサイクルの推進やダイバーシティ経営の実践、新規事業につながるチャレンジスピリッツなど、イーシーセンターにおける活動の多くが富士市の推進している取り組みに沿ったものになっています。イーシーセンターではそうしたSDGsに取り組むフロントランナーとして地域全体を牽引していく企業となり、地域の持続的成長の源泉になっていきます。