人形のひなせいはどのような企業かご紹介ください。
藤枝市で雛人形と五月人形を製造、販売しています。
ひな祭りは、我が子の健康で幸せな日々が末永く続くことを願う年中行事です。
毎年のひな祭りを通して家族の絆を深め、日本の和の心と伝統を後世に伝えていくお手伝いを、雛人形の製造、販売を通して行っております。
人形のひなせいの強みついて教えてください。
人形のひなせいは、女性中心とした組織構成となっています。その強みを生かし、女性中心にお雛様のデザインを行っています。
雛人形の着物レベルは近年レベルが格段に上がっております。女性スタッフと相談、吟味し、美的デザインの試行錯誤を繰り返し、お殿様の全体像や着物を引き立てる下着とのバランス、屏風との兼ね合いをトータルで考えます。
洗練された女性感ならではの色彩の配色はもちろん、手先の細かな縫製と複雑な工程を経て作られた雛人形は、全国のお客様から大変好評をいただいています。
また、人形のひなせいでは木材にもこだわっています。
日本らしさとは何かを追及する中で、辿り着いたのが古民家調の雛人形でした。試行錯誤する中で、天然の杉の木を使い、酸化を早め、“すす”を利用し木目を最大限に生かす方法を発見しました。それ以後人形のひなせいでは国産杉をふんだんに使っています。雛人形、屏風、飾り台の全てにおいて木の素材にこだわりを持って制作しています。
SDGsはどのような経緯で知り、どうして取組もうと思いましたか。
きっかけはしずおか焼津信用金庫の紹介で、外注仕入れからコストを見直して社内製作に切り替えていく中で、モノづくりについても見直しを図ったことです。木工製品の塗装を社内内製化する際、これまで使用されていた塗料から水洗塗料に切り替えました。子供が舐めてしまっても安全で健康に配慮した塗料に変えたことをきっかけに、雛人形を通じてSDGsに繋がる取り組みを行っていこうと考えました。
SDGsは17のゴールがありますが、
そのうち何番に対して主に取組みしているか教えてください。
人形のひなせいでは、木の素材までこだわり、特殊加工を施し、デザインについても一つ一つこだわって作ります。機械を用いた大量生産ではなく、職人が一つ一つ丹精込めて作り、少量でも質にこだわった製品は、大量生産による余剰在庫が社会問題となる中、SDGsの側面で今後のモノづくりや購入マインドに通ずるものがあるのではないかと思っています。
また、雛人形を作成する中で木片が大量に出てしまうため、その一部を利用して花瓶を作成しています。花器はほとんどが花瓶ですが、あえて木製で制作することで木の温もりがより一層感じられるアレンジフラワーとなります。今後インターネットサイトで販売も行っていく予定です。廃棄木材を削減し工夫して製品を作ることで新たな販路拡大につながりました。
今後、2030年に向けてSDGsはさらに多くの企業が取組み、
一丸となって推進していくことになりますが、
人形のひなせい様が目指す未来像を教えてください。
これまでSDGsという概念を盛り込んだ事業展開ではなかったため、社員のSDGsへの意識や認識があまり根付いていませんでした。はじめはコストの見直しがきっかけではありましたが、SDGsを意識した取り組みとして事業を展開することで、弊社の女性活躍面や、木材の利用方法など、SDGsに通ずるものが様々な面であることがわかりました。今後はさらに社内での意識の共有はもちろん、経営面でもさらに通ずる部分を増やしていければと
考えています。
まだ藤枝市にはSDGsに公の承認制度はありませんが、今後そうした制度ができた際は認証を受けたいです。また、そうした時代の要望に会社の形態を合わせ、時代に必要な組織として進化できるよう邁進して参ります。