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SHIZUOKA SDGs Action!2023「丸徳商事有限会社のSDGs」

しずおか焼津信用金庫では、「SDGs」「脱炭素化」の推進に取り組むお取引先企業様をご紹介しております。
今回は、丸徳商事有限会社様のお取組みについてお伺いしました。



 

丸徳商事有限会社のSDGs・脱炭素化の取組み


・定期的な社内勉強会の開催
・駅前清掃活動への参加




・産業廃棄物の有機肥料への再資源化

・化学肥料を使わないことによる地下浸透水の汚染削減及び海洋汚染の防止
・耕作放棄地の土壌改質並びに農地として利用による生態系維持
・他企業との協業によるプロジェクトの推進
 



丸徳商事有限会社様はどのような企業かご紹介ください。


 弊社は設立
59年を迎える会社で、廃棄物処理業、倉庫業を営んでいます。当初は埋め立て処分からスタートしましたが、平成に入り焼却施設・破砕施設を増設し、現在では管理型埋立処分場1カ所、焼却施設1基、破砕施設2基が稼働しています。近年処理困難物が増えてきていますが、廃棄物の特性に応じた焼却炉を使用する事で適切な処理を行っています。弊社では主に医療廃棄物やプラスチックの焼却処理、汚泥や動植物性残渣の肥料製造を行っております。





SDGs
への取組ついて教えてください。


 本業である産廃処理が
SDGsに密接な事業であることはもちろん、「R FARM PROJECT」として、YM菌®による有機肥料製造、農業関連事業、ブルーベリー農園、竹林の循環型活用など、様々な事業を展開しています。多くの人々が関心を寄せている環境保全に貢献できるよう、環境に負荷を与えず、自然界へ還元する事業を推進する等、今後も地域貢献を通して農業関連事業に展開していきます。




R FARM PROJECT
のそれぞれの事業内容について概要を教えてください。



●【YM菌
®による有機肥料製造】について


弊社は上記でお話したように産業廃棄物の全量を焼却処理していましたが、2015年より環境問題に対応すべく、「焼却」ではなく「有効活用」する方法として「YM菌®」による肥料化への移行を始めました。
YM®は株式会社山有(鹿児島県)の山村正一社長により発見されたバチルス属等に属する特許微生物です。100度以上の超高温好気条件下で活発に有機物を分解します。このYM菌®は有機物を食べて発酵(発熱)をし、製品となってできた肥料(水分率30%)を戻し堆肥として利用するため、もみがら、おがくずなどの水分調整剤は必要としないほか、好気性発酵であることから悪臭の発生が低く抑えられ、高い栄養価の肥料が製造されます。


産業廃棄物に含まれる動植物性残渣や汚泥をYM菌®と混ぜることで今まで「焼却」していた産業廃棄物を有機肥料へと「有効活用」し、環境問題へと貢献することを可能としました。産業廃棄物を肥料投入への可否により選別をすることで焼却量が減り、地球温暖化対策へと繋がります。
この肥料は「かんとりースーパー静岡」と名付けました。㏗が少し高く、特に土壌の改質に役立ちます。










 
 

●【竹林の循環型活用】
山間地で問題となっている放任竹林を解消するために、竹林整備で発生した竹を粉砕し肥料原料に活用しています。竹チップを混入することでC/N比の向上や通気性の向上が見込めます。
R FARMでは竹林整備に実績がある他、竹チップは肥料の原料になるため、伐採した竹も買い取っています。トラックによる回収のお手伝いも致しますので、放任竹林でお困りの方はお問い合わせください。
 

●【農業関連事業…茶畑再生プロジェクト】
YM菌®を用いて作った肥料「かんとりースーパー静岡」も、利用先が無ければ食品廃棄物からのリサイクルが進みません。弊社の肥料で何かできないか、と考えていた時に、お茶の産地静岡でもお茶栽培をやめてしまう農家さんが増え、耕作放棄地が増え問題となっていることを知ります。この、「静岡の茶畑をなんとかしたい」という想いから、『R FAEMプロジェクト』を開始しました。



再生が困難といわれる茶畑の耕作放棄地において、「かんとりースーパー静岡」とR FARMの独自のノウハウにより新たな農地として再生していきました。茶畑再生により蘇った畑で、肥料の効用テストとして生姜、ホップ、オクラ、タラの芽など様々な作物を耕作しています。製造した肥料を活用し、地域の農家さん達と生姜栽培をする事で地域活性化に貢献しております。



 









●【ブルーベリー農園】

地域貢献の一環として、地元の有志団体「宍原を考える会」と共に、耕作放棄地となっていた茶畑を開墾し、数年かけてブルーベリーの苗木を植樹し、栽培と販売はもちろん、ブルーベリー狩り体験など、ブルーベリー農園の運営にも携わっています。











R FARM PROJECTでは有機肥料を製造し、それを用いて茶畑を再生し、そこで様々な耕作物を育てているということですが、具体的な事例をご紹介ください。
最近弊社においてEC販売サイトも立ち上がった「しょうがの金太郎」についてご紹介します。

最初はお茶農家からの「お茶をやめたい」という声を受け、丸徳商事が立ち上がりました。今まで茶畑だった耕作放棄地を「かんとりースーパー静岡」により蘇らせた畑で、大生姜の栽培に注目しました。大生姜は手順を間違えなえれば比較的に栽培しやすい作物であり、栽培経験の少ない方に挑戦していただく際にも育てやすい作物として注目されています。また、ぶんけつして非常に大きく育つことから「しょうがの金太郎」と命名し、自社の看板農作物として誕生させました。


  








「しょうがの金太郎」は、大きく育つことで加工が容易なほか、魚や肉の臭みなどの消臭効果や殺菌作用も高く、しょうが特有の辛味や香りは、発汗作用や血行促進作用などの健康効果も期待できるため、様々な商品への展開を可能にします。

弊社では、しょうがの金太郎を使用して「温活」など健康的なからだ作りを目的とし、さまざまな企業と連携して商品を開発しています。






















宍原周辺や多くの農家さん達と手を取り、静岡の耕作放棄地を減らすとともに、大生姜を通じて多くの企業様との連携を目指しております。商品化した生姜製品を静岡市内の飲食店様に利用していただき、飲食店様より出た廃棄物を肥料化する事で循環型社会の形成を目指しています。

 


可愛いキャラクターが見受けられるのですが、しょうがの金太郎と関係がありますか。



『ジンジャー!チェンジャー!チャレンジャー!』というキャッチフレーズの元、ニンジャをモチーフとしたチェンジャー隊が生まれました。チェンジャー隊とともに生姜を育て、新たな事業として挑戦していく意味が含まれています。

弊社ではSDGsの17の目標に対し、6つの実践を掲げました。SDGsの活動範囲を広げるため、チェンジャー隊をそれぞれの色に配色しています。社内でもSDGsパネルを設置しています。

 
 











地域に広がる
R FARMプロジェクトについて、今後の展望を教えてください。



今後は、「農業体験」「農地マッチング」「様々な農作物や商品の展開」の3点を推進していきたいと思っています。 

農地マッチングにおいては、「農地があっても管理ができていない方」「農業をやってみたいけど畑がない方」を相互にご紹介できるような仕組みを検討しています。
また、実際に事業を進める中で生姜栽培のモデル事業の構築を目指しておりますが、農業離れが思っていた以上に多く、耕作者を探すことに困難しております。地域貢献を考えた結果、この様な取り組みとなりましたが、住民のさらなる高齢化が進んだ場合の継続が不安です。就労継続支援事業所などとの連携をし、業務委託として農業に関わりやりがいを感じてもらいたいと考えています。

「商品展開」においては、弊社では栽培した生姜について商品開発し、自社ブランドとして販売を行っています。しょうが以外にも、ブルーベリーやさつまいもなどラインナップを増やしていきたいと思っています。
今後も、より健康的なからだ作りを応援できるような商品を開発したい思いや、消費者の皆様へ提供することで栽培に対するやりがいを共有いただける会社様との提携を希望しております。
地方自治体、農家の皆様、食品加工会社の皆様、ホテル・百貨店業界・飲食店の皆様、就労継続支援事業所の皆様など、様々な方たちと連携し、地域の活性化に貢献したいと考えていますので、是非弊社の取組にご興味のある団体様がいらっしゃいましたら、お声がけください。


   











今後、2030年に向けてSDGsはさらに多くの企業が取組み、一丸となって推進していくことになりますが、丸徳商事有限会社様が目指す未来像を教えてください。

弊社はそもそも本業がSDGsに貢献しているのですが、働いている従業員がそのことに気が付いていない状況下でした。そのような中でSDGsの取り組みを社内外に発信する事で徐々に理解を得られるようになってきました。また、こうしたSDGsの取り組みを発信する事で、諸団体や学校から問い合わせが増えつつあります。この事は、会社のPRはもちろん求人活動に繋がると考えておりますので、引き続き積極的に発信を行っていきたいです。
宍原周辺や多くの農家さん達と手を取り静岡の耕作放棄地を減らすとともに、大生姜を通して多くの企業様と連携を目指し、今後も広く活動をしていきたいです。また、商品化した生姜製品を静岡市内の飲食店様に利用していただき、飲食店様より出た廃棄物を肥料化する事で循環型社会の形成を目指し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
 

企業基本情報 
会社名 丸徳商事有限会社
代表取締役社長 松崎徹志
所在地 424-0067 静岡市清水区鳥坂575番地
ホー-ムページ www.martoku-shoji.jp
電話番号 054-345-5173