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SHIZUOKA SDGs Action!2023「山福水産株式会社のSDGs」

しずおか焼津信用金庫では、「SDGs」「脱炭素化」の推進に取り組むお取引先企業様をご紹介しております。
今回は、山福水産株式会社のお取組みについてお伺いしました。


 

山福水産株式会社のSDGs・脱炭素化の取組み



・マリンエコラベルジャパンの認証
・海と日本プロジェクトの推進、応援
・漁獲時の鮮度と品質を保つ生産ラインと食の提供
・海の環境保全、魚の食文化推進プロジェクトなどの社会貢献活動への参加


・かつお、まぐろの未利用資源を活用した肥料の製造
・栄養素がたくさん含まれた肥料を使用した農業による、土・川・海の循環型米作り



・定期的な社内ミーティングの実施
・充実した福利厚生や、産休育休等の休暇制度の整備
・従業員のための働きやすい職場環境の整備

 
山福水産株式会社様はどのような企業かご紹介ください。

当社は、昭和35年の創業以来、かつお水揚げ量日本一の焼津港の仲介人として、時期と漁場を読んで鰹・鮪を買付けし、工場直送の一貫した生産体制で良質な鰹・鮪を仕入れ、加工販売しております。受託加工業務を主に、工場直販部では地域のみなさまに長くご愛顧いただいております。
代々受け継がれてきた理念を大切にしながら、常に時代の先を読み、今何をすべきかを考え様々な取り組みや展開を続けています。近年、地域の事業にも積極的に参加し地域との連携を強めております。
 



山福水産株式会社様のSDGsへの取組について教えてください。

近年、水産業では海洋環境の悪化とともに漁獲量の減少が問題となっています。有限な海の資源は市場に回る可食部だけが評価され、不可食部にも同様に豊富な栄養が含まれていますが、1/10程度の評価で飼料等になってしまいます。
私たちは大切な資源を”自分たちで”正しい価値のまま有効活用したい、という気持ちから、不可食部を原料に肥料を作り、海にも土壌にも優しい循環型農業を始めました。「1.もったいない2.社員定年後のライフサポート 3.地球環境保全」の3本柱で始まった水産会社ならではの循環型農業。肥料原料からトレース可能で安心安全なお米と焼津の特産をつかった食事を提供する「こめふく」も20237月にオープンしました。


「こめふく」について具体的な内容を教えてください。

上記しましたが、不可食部であるかつお・まぐろの切り落とされた頭や骨などを正しい価値で有効利用したい、という気持ちから、これらを原料に肥料を作っています。
「こめふく」店長の小長谷は、山福水産のかつお職人歴20年のベテランでしたが、未経験から農家へ弟子入りし、イチから農業を学んで4年かけて土壌を作り上げました。この肥料を農地にまいたことで土がどんどん良くなり、米の生育も良くなり、海の恵みたっぷりの土壌で育てられたお米が誕生しました。
   


こめふくのお米は安心安全でかつ、環境に配慮した農業で作られています。
そして自然環境汚染問題が叫ばれる中、海の恵みを農地に与え、また海に戻るという恵みの循環を実現しました。
こめふくの看板メニューのおむすびは、焼津のかつお節をかけ放題でご提供しております。月ごとメーカーを変えているのでそれぞれの味を楽しむことが出来ます。
是非、海の恵みたっぷりなお米を楽しむお店「こめふく」にお越しください。


ほかにも山福水産株式会社様のSDGsへの取組を教えてください。

当社では、2002年に業界初となるタタキ製品に対してのHACCP認証取得に成功しました。2015年にはロイン製品でも取得し、現在も継続して徹底された衛生管理に努め、年に2回の継続審査を通過しております。HACCPを取得することにより、製品の安心・安全が目に見える形で保証されます。また製品の海外輸出も可能となり、海外の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理方式です。また、製品の海外輸出も可能となり、海外のお客様にも弊社の味を知っていただけるようになりました。

HACCPとは…1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式です。




また、マリン・エコラベル・ジャパンの認証を受けています。
昨今の水産資源の乱獲により、資源や生態系が脅かされている中、将来にわたって水産物を皆様に供給できるよう、私たちは海の環境と生態系の保全に配慮した漁法(例:一本釣り漁法)で漁獲された魚の取り扱いに積極的に取り組んでおります。

※マリン・エコラベル・ジャパン…水産資源の持続的な利用、環境や生態系の保全・管理へ積極的かつ効果t系に取り組んでいる日本の業業・養殖業の生産者を認証する制度。

   



 社内でのSDGsへの取組を教えてください。

当社では、HACCP認定工場として、加工場内だけでなく建物全体としても、衛生面・安全面に配慮しております。そしてより良い職場内環境づくりのため、従業員がリラックスできるよう広い食堂や、休憩所等も設けており、社員同士のコミュニケーションの場となっています。海の環境保全活動・魚食文化の推進プロジェクトなどに携わるなど社会貢献活動にも力を入れています。

また、当社では、毎週必ず各部署の責任者による社内会議を開き、報告・意見交換・問題解決を行い、社内の改善に積極的に取り組んでいます。





今後、2030年に向けてSDGsはさらに多くの企業が取組み、一丸となって推進していくことになりますが、山福水産株式会社様が目指す未来像を教えてください。


私たちが考えるSDGsに取り組む上でのメリットは、社会貢献という言葉を実感できること、です。SDGs含め社会や地域への貢献は、表現しづらいところがあります。SDGsという具体的な目標がある中で、自社のこの取り組みって実はSDGsに貢献してるよね!と、社会貢献の可視化によりさらに取り組みに積極的になりますし、対外的に表現や発信をしやすくなると思います。
一方で、SDGsの目標含め社会にはまだまだ課題がたくさんあり、そこに対してどのように働きかけられるのかを見いだせない企業は多くあると思います。当社でも、社内理解が非常に難しいと感じました。興味を持ってもらうには、巻き込んでいくには、など課題は現在も尽きませんが、一部だけでも興味を示してくれる人をまずは巻き込んでいくことからだと思います。また、SDGsへの取り組みが社会だけでなく、従業員にとってどんなメリットがあるのか、社会にどのように作用するのかを分かりやすく示す必要があると感じました。

今後は、海のめぐみたっぷりなお米の存在をより広く知ってもらうことで、海洋環境の悪化や漁業の抱える問題にも関心をもってもらえたら嬉しいです。また、農家の後継者不足が問題となる中、農業のかつてのイメージを払拭し、若者の雇用の強化、定年後の再就職先としての役割を担っていきたいと思っています。
農業の一部では、機械・システム化が進み、重労働・体力勝負なイメージの強かった作業も、体への負担が軽減され始めています。それには機械・設備投資がしやすい企業が農業へ介入していくことが重要となると感じています。
引き続き活動を続け、お客様から「信用」「信頼」していただける会社として社会に貢献できるように努力し続ける所存です。


 
企業基本情報 
会社名 山福水産株式会社
代表取締役 見崎 真
所在地 焼津市本町6丁目4番6号
ホー-ムページ 山福水産株式会社(静岡県焼津市) (yaizu-yamafuku.co.jp)
電話番号 054-627-5511