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SHIZUOKA SDGs Action!2023「株式会社濵村屋のSDGs」


しずおか焼津信用金庫では、「SDGs」「脱炭素化」の推進に取り組むお取引先企業様をご紹介しております。

今回は、株式会社 濵村屋様のお取組みについてお伺いしました。


 

株式会社濵村屋のSDGs・脱炭素化の取組み



・地元の食材、産地証明書を取得した食材を使用した商品の開発と販売

・食品ロスを発生させないための在庫管理
・食品廃棄量800kg以下への削減を目指す。
・廃棄物管理票をもとにした廃棄物の適正処理
・気候変動や第一次産業従事者減少の課題解決に資する商品開発
・子ども食堂への商品提供





・地域教育機関の食育に貢献する
・商品包装や資材の簡素化を意識した商品開発
・二酸化炭素排出量の削減に向けた消費電力の削減や自動車使用への配慮
・節水のよびかけ
・グリーン購入の推進
・配送効率の向上のための多重配送の削減



株式会社濵村屋様はどのような企業かご紹介ください。


当社は、静岡県全域を活動拠点とする業務用食品卸会社です。創業は江戸時代までさかのぼります。駿府城の御用商人として、そして庶民の酒屋としての歴史を積み重ね、昭和30年の改組後、学校給食分野に事業を進出し、その後も着々と事業を拡大してまいりました。現在では地元きっての業務用食品卸会社として静岡地域に貢献し、お客様に安心・安全な美味しさをお届けしています。

 



株式会社濵村屋様の強みを教えてください。

 当社のお得意様である学校給食を通して、静岡の未来をつくる子どもたちに当社オリジナルブランドの「シズワン®」商品を届けることができる点が大きな強みの一つです。地元の食材に幼少期から親しみを持つことで、静岡への関心を高め、地域の課題について考えるきっかけになると考えています。



「シズワン®」商品について詳しく教えてください。

当社は卸業の傍ら、経営革新事業としてオリジナルブランド「シズワン®」の商品開発を行っています。シズワンの商品はすべて静岡県産の食材を原料に用いており、地産地消に貢献しています。原料は生産者から直接買い付けなどを行い、規格外品や廃棄部分を積極的に活用しています。



 シズワンの商品をご紹介ください。


【つまみ揚げ 久能葉生姜】
静岡市久能の名産品である、葉生姜を練りこんでいます。出荷時に切除してしまう葉生姜(久能産)の根を使用しています。


【茶葉入りメンチカツ】
茎の少ない静岡県産の煎茶を使用することで食べやすくして、さらに粉末煎茶を使用することで豚肉メンチに煎茶がなじむよう工夫しています。





【ゆずジェラート】
川根を元気にする会社「エナジーファーム」と共同開発し、耕作放棄地を再利用した畑で育てたゆずをジェラートにしました。ゆずの香りをそのまま活かし、まるでゆずを食べているかのようなさっぱりとした口当たりが特徴です(川根本町産)。




【焼津かつお粗ほぐし入りコロッケ】
静岡県焼津港で水揚げされたかつおを甘く煮て、粗くほぐしたものとホクホクの馬鈴薯を使用したうまみたっぷりのコロッケです。





これらを始めとして、現在は20品以上のラインナップ(20241月現在)を取り揃えており、SDGsや地域の課題解決につながる商品開発を行っています。


新商品ゆずジェラートの事例を詳しく教えてください。


川根本町の活性化を目指し耕作放棄地対策などに取り組む「エナジーファーム」は高齢化などによって耕作放棄地が増加する同町で、放棄地をユズや栗などの栽培地に再利用しています。
高齢化と過疎化で耕作放棄地が増加している川根で、街に活気を生み出す新たな産業づくりとして平成28年に栽培がスタートしました。栽培されたゆずの活用についてエナジーファームからのオファーがあり、共同開発して今回のゆずジェラートが出来上がりました。



このように静岡県内の豊かな農産・水産・畜産資源を有効活用し、生産者様、メーカー様と三位一体となり商品開発をしています。
特に、シズワン事業の始動以降、商品開発にご協力いただける生産者様・メーカー様は増えつつあります。一方で、加速する一次産業従事者の減少や、急激に変わる地球環境、物価高騰など多様な悩みを抱える生産者様・メーカー様の課題に応えるためには、さらに多くのお取引先様とつながりをつくることが必要です。

また、シズワン商品にかかる課題として、商品管理の難しさがあります。県産の原料の収穫量は天候や環境に大きく左右されるため、原料不足により製造できず、注文受付を制限する商品もあります。加工委託先メーカーの負担とならないよう商品は全量買い取りを行うため、製造ロットやリードタイムの把握も欠かせません。さらに、食品ロス防止のための賞味期限チェックや顧客への営業なども含めて、発売後の管理が課題です。



県内の地産地消に大きく貢献している濵村屋様ですが、その他SDGsに繋がるお取組についても教えてください。

当社は2011年にエコアクションを取得し、毎年目標を設定して取り組みを行っています。お客様の食の安全、安心への関心は高まっており、この“安心と安全”を確保することが最重要課題となっており、事業活動における環境負荷の低減を図るために全ての事業活動を通じて環境に与える影響が最小となるよう、環境に対して常に配慮をした企業経営が必要です。
主な環境活動計画は以下の通りです。

①二酸化炭素排出量削減
 ●消費電力の削減
  ・冷暖房の温度設定(冷房28度 暖房20度)
  ・照明の適正化、昼光の利用、消灯の徹底
  ・OA機器の省電力運用、余分な電力の削減
  ・デマンド監視システムによる電力使用量の削減

 ●自動車使用にあたっての配慮
  ・運転方法の配慮
  ・配達効率の向上

②廃棄物排出量の削減
 ●賞味期限切れによる商品廃棄の削減
  ・循環棚卸の実施による賞味期限のチェック確認
  ・滞留在庫商品(3か月)のリストアップによる販売促進の実施
  ・在庫数量の適正化
  ・食品廃棄物等の発生の抑制に努め、再利用等実施率70%以上とする

 ●廃棄物の分別
 
 ●水に関して
  ・節水の呼びかけ
 
 ●紙に関して
  ・紙の配布ではなく、回覧による情報の提供及びサイボーズの活用
  ・メールの活用

③グリーン購入の推進

④そのほかの活動計画
 ●環境方針の周知徹底と社員教育
 ●環境教育マネジメントシステムの確立と継続的改善に努める

⑤配送効率の向上




今後、2030年に向けてSDGsはさらに多くの企業が取組み、一丸となって推進していくことになりますが、株式会社濵村屋様が目指す未来像を教えてください。


現在、シズワン事業始動当初よりも、静岡県産の食材を使用することの価値を社員一同感じられるようになりました。地産品の需要の高まりを肌で感じながら、日々営業活動を行っています。特に、静岡県は給食における地場産物の使用率向上のため、地元食材を使用した給食メニューを取り入れていることもあり、社内でもシズワン商品の開発に対する関心や取り組み意識が高まってきています。
また、生産者様・メーカー様とのつながりが増したことはSDGsを推進していく中での大きなメリットです。それぞれが持つ課題に対して試行錯誤を重ねながら解決していくことで、相互の信頼関係が強まり、企業としての価値を高めることにもつながったと感じます。
今後もシズワンのさらなる充実を目指します。静岡県全域の食材を活かしたバラエティ豊富な商品ブランドとしてお客様に知っていただき、SDGsへの貢献度を高めていきたいです。また、使用する原料についても、地域の課題解決につながるよう意識しながら取り扱っていきます。引き続き、生産者・メーカー・濵村屋が三位一体となって取り組みを強化していきます。



 
企業基本情報 
会社名 株式会社濵村屋
代表取締役社長 濵村晃
所在地 420-0922 静岡市葵区流通センター5番8号
ホー-ムページ https://hamamuraya.co.jp
電話番号 054-263-2241