四国、徳島県で生まれ、高校卒業間近に絵の勉強で東京へ。大学を卒業してから創作活動を続けていくために最適な環境を求めて静岡東部にアトリエをかまえ25年になります。
初めて油絵の絵筆を持ったのが11歳の時でしたから40年以上、絵とともに過ごしていますね。
大学に入るまでの10代は徹底的に写実にこだわりました。20代以降急速に抽象絵画へ傾倒していくのですが、「自分が何を描きたいか」というと視覚を中心に捉えたものだけでなく自分の身体を通して感じる感覚、五感すべてから受け取っているものをキャンバスに載せたいと思うようになりました。
30代前半に大病をして闘病生活が数年ありました。大作からは離れ小品を中心に制作をするようになり、同時に技巧的なものへの執着があった私にとっては作品内容に大きな転機が訪れました。そこからは、なかなか納得のいく表現ができず、もどかしさもありましたが、それから20年。近年では日常のスケッチ、創作活動に没頭できる環境を手に入れ「そよぐ風のやさしさ」や「楽し気な音の振動」「激しくぶつかり合う光のさま」出会ったすべての「命の在り様」ともいえるものを描きたい。自分の身体全部で受け取った感動を描いているその瞬間、瞬間が喜びであり、「世界」と「自分」をつないでいるのは私にとって「絵画」なのだと思います。
近年になって画材の発展がすさまじく、油絵といっても水で描ける油絵すらあります。
またアクリル絵具の一般的な普及もあって純粋な油絵そのものは少なくなっているのが現状だと思います。かくいう私も身体的な制限もあって、今はアクリル絵具中心ですが、「油絵」と言っています。
しかし私にとって油絵は画材という側面だけではなく、歴史の中でも興味深い役割を担っている画材であり、化学的な物質を利用した画材でもあります。私自身は油絵を学ぶにあたり化学の授業が好きになりましたし、化学的物質的な視点を持つことができました。そのことはアクリル絵具を使っていても生かされています。
描く表現に幅があるのも特徴です。抽象表現の歴史の中でも油絵が世界的にも大きな役割を担っています。
写実の具象表現から完全抽象絵画までを網羅できる可能性を秘めているのが私にとっての「油絵」であり多くの人に「油絵」を楽しんでもらう入口ではないかと思います。
一人旅が好きです。
月に1度は旅に出ます。新しい土地、見たこともない景
色、その土地に暮らす人たちの出会い。旅から得られる
ものは非常に多く、ワクワクします。
いわゆる観光地は少ししか行きません。予定はあまりき
っちり決めず、およその日程で現地にいながら心のまま
に決めていきます。
ですから一人旅でないといけません。
自由美術協会会員
静岡県油彩美術家協会常任委員
三島市社会教育絵画講師
〈略歴〉
1997年 日本大学芸術学部 美術学科 絵画専攻 卒業
1996年 初個展(練馬区立美術館区民ギャラリー)
1998年 INTERNATIONAL GROUP
EXHIBITION ART54(米国・ニューヨーク)
2018年 Art in Life 出品
(米国・ボストンチルドレンズミュージアム)
2023年 個展 ー画家の生き様ー
(三島市GALLERY Via701)
2024年 オリジナルブランドを立ち上げる。
個展、グループ展多数。現在はパブリックアートや社会
教育で地域の文化向上に努め企業のオリジナル商品のアートプロデュースを手掛ける。